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筋トレの休憩を30秒にしたほうが筋肉が増える!はどこまで本当か?

 

筋トレの手法のひとつに「休憩時間を短くする」ってやり方があるんですよ。いつもはセットのあいだを1分30秒ぐらい休んでたのを、30秒まで切り詰めてみたりするわけですな。

 

 

筋肉を育てるには組織にストレスをあたえなきゃいけないんで、休憩時間をちぢめるって発想が出るのはわかりやすい話でしょう。30秒ぐらいで次のセットに進んだほうが、あきらかにツラい感覚は大きいですしね。

 

 

が、ここで問題になるのは、「それって意味あるの?」ってところです。いくら筋肉がツラくても実際に成果が出なきゃしかたないわけで、果たしてどんだけの効果があるのかは気になっちゃいますわな。

 

 

ってことで今回は「筋トレの休憩を短くしたらどうなるの?問題」について調べたデータ(R)をメモしときます。

 

 

これは10人の若い男性を対象にした研究で、だいたいトレーニング歴が3.1 ± 2.2年の人を集めたとのこと。実験では、まず全員にベンチプレスやスクワットをやってもらい、それぞれの10RMを測定したあとで、実際のトレーニングに挑んでもらったみたい。

 

 

筋トレは48時間ごとに3回行われまして、各セッションごとに「休憩時間」をランダムに割り当てております。

 

  1. 30秒の休憩
  2. 60秒の休憩
  3. 120秒の休憩

 

トレーニングメニューは、ベンチプレス、シーテッドロウ、ショルダープレス、バックスクワット、レッグプレス、カーフレイズの6つ。こいつをいろんな休憩時間でやって、そのつど全体のトレーニングボリューム乳酸の量を測ったんだそうな。

 

 

ご存じのとおり、筋トレのボリュームは筋肉の発達に欠かせない重要なポイント。たとえ休憩を短くして筋肉にストレスをあたえても、全体のボリュームが減ったら意味はないわけです。

 

 

また、もうひとつの乳酸は、トレーニングの代謝ストレスを測る指標のひとつ。そこまでハッキリ言えるわけじゃないんだけど、とりあえず乳酸が多いほど体に刺激をあたえられてるよーと考えられるんですよね。

 

 

では、結果を見てみましょうー。

 

  • 休憩時間が長いほどトレーニングボリュームは増える。
    • 120秒 vs 30秒の場合は効果量がd=0.91
    • 60秒 vs 30秒の場合は効果量がd=0.60
    • 120秒 vs 60秒の場合は違いがなし

 

  • 乳酸については休憩時間を変えてもなんも変わらない

 

だったそうな。つまり、簡単にまとめますと、

 

  • 休憩時間を短くすると、代謝ストレスは変わらないし、トレーニングボリュームが減って逆効果!

 

みたいになりますかね。つまり、この実験から得られそうな教訓としましては、

 

  • やっぱりセット間の休憩は1分より多くは欲しい

 

って感じでしょうかねー。まぁこの研究だけで白黒が決まるもんでもないですけど、基本的に休憩は1分〜3分ぐらいのあいだで設定したほうがよさげ。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。