カフェインはどれだけ使い続けると運動のパフォーマンスが上がらなくなるのか?問題
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カフェインで運動のパフォーマンスが向上するのは有名な話。筋トレでも有酸素運動でも、カフェインを飲むと普段よりもパワーを発揮しやすくなるんですよね。
が、まだよくわかっていないのは、「カフェインの効果はどこまで続くの?」ってポイントであります。どんな良薬でも使い続ければ効果が薄れちゃうもんでして、当然カフェインでも同じことが起きるだろうと考えられましょう。
そこで出てきた新たな論文(R)は、以下の2つのポイントを調べてくれております。
- カフェインを使い続けると運動のパフォーマンスアップ効果は無くなるのか?
- カフェインの耐性はどれぐらいのタイミングでついてくるのか?
ってことで、実験では11人の健康な男女を集めて、こんなデザインの実験を行なったそうな。
- 1日1回ずつ、体重1kgあたり3mgのカフェイン錠、または偽薬を飲む
- カフェインか偽薬を飲んでから45分後に、週に3回ぐらいのペースでVO2maxを計測するテストとWingateテストを行う
- 以上の介入を21日間続ける
「体重1kgあたり3mgのカフェイン」ってのは、多くの過去データから「これぐらい飲めば運動能力が上がるだろう」と言われてる最低ラインであります。運動のためにカフェインを使いたいときは、とりあえずこれぐらい飲んでおけばOK。
でもって、そこでどんな変化が現れたかと言いますと、
- 初めて体重1kgあたり3mgのカフェインを飲んだ日は、カフェインを飲んでいない日よりも有酸素運動と筋力が向上していた (d ≈ 1.0-2.25)
- 日を追うごとにカフェインの効果は薄れ始めたが、最終日の段階でも、一応パフォーマンスアップの効果は確認された
- VO2maxは効果が下がりやすい傾向があり、筋力への効果は低下の度合いが少なかった
みたいになってます。もうちょい細かく説明すると、
- 有酸素運動の能力については、カフェインを飲んだ初日だけ爆上がりするが(効果量2.3)、そのまま同じ量を飲み続けると、6日あたりでほぼベースラインにもどってしまい、その後はほぼ飲む意味がなくなる(効果量0.4)
- 筋力についても同じ感じで、カフェインを飲んだ初日だけ効果が大きく上がり(効果量1.7)、6日あたりでほぼベースラインにもどる(ただし有酸素運動の能力よりは下がらない)
って感じですね。個人的には、思ったよりも早めに耐性ができちゃうんだなーという印象であります。
そんなわけで、今回のデータからどんな教訓が得られるかと言いますと、
- まぁカフェインを飲み続けるにしてもせいぜい3日ぐらいがいいかなー
- ただし、2日目からもそこそこ効果は薄れちゃうんで、カフェインで運動性能を上げるのは「ここぞ!」という日に使うのがいいのかも
みたいになるかも。実際、パワーアスリートなんかも競技の1ヶ月前にはカフェイン断ちをするケースが多いと聞きますしねぇ。とりあえず「カフェインの耐性は意外とすぐにでき始める!」と思っとくとよさげです。