このブログを検索




今週末の小ネタ:ヒゲとモテ、売れるアーティストの違い、睡眠不足で不安激増

Summary


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。   

  

 

男のヒゲってモテるの?問題

男のヒゲってモテるの?」って疑問を調べたおもしろいデータ(R)が出ておりました。これがどんな研究だったかと言いますと、

 

  1. 919人の女性たちに、ヒゲがモジャモジャな男の写真、無精髭な男の写真、ヒゲをきれいに剃った男の写真など、さまざまなレベルでヒゲが生えている写真をみてもらう
  2. どの写真が一番好ましいと思ったかを採点してもらう

 

みたいな感じになってます。そこでどんな結果が確認されたかと言いますと、

 

  • 子どもを欲しがっている独身女性の間では、きれいにヒゲをそった顔が好まれた!

 

だったそうで、毛深い男性は全体的に嫌われる傾向があったそうな。その理由は謎なとこが多いですけど、研究チームの推測としては、

 

この現象は、肌に生息するノミのような寄生虫に対する女性の嫌悪感が影響を与えているのだろう。

 

と同時に、ここ十数年は男性と女性のどちらも脱毛する文化が普通になっており、その影響による可能性もある。

 

みたいになっております。毛が生えてなければノミやシラミが繁殖する可能性が低いので、女性たちは無意識のうちに無毛の男性を好むようになったのでは?みたいな仮説ですね(じゃあなぜハゲを嫌う人が多いのだ?って疑問もわきますけど)。

 

 

もっとも「ヒゲはモテるのか問題」については諸説ありまして、実は過去には「ヒゲを生やした男のほうがモテる!」なんていう真逆の結果も出てたりします(R)。うーん、謎だ。

 

 

まぁとりあえず現時点ではヒゲがモテるかどうかは断言しづらいので、自分に似合うほうをお選びください(超普通の結論)。

 

 

 

売れるアーティストは何が違うのか?

お次は「売れるアーティストは何が違うのか?」って疑問を調べた風変わりな研究(R)であります。こちらはどんな研究だったかと言いますと、

 

  1. ピカソ、ダリ、ゴッホといった巨匠の作品をふくむ416,665点の絵画を集める
  2. すべての絵に描かれた画家のサインの大きさを調べる
  3. サインの大きさと絵画の販売価格を調べる

 

みたいになってます。なんで「サインのサイズ」なんてのを調べたのかと言えば、過去の研究により、「人間が書く署名の大きさはナルシシズムを反映している」って事実があきらかになってるからです。当然、ナルシストほどサインの大きさがデカいわけっすね。

 

 

で、分析の結果、以下の傾向が見てとれました。

 

  • ナルシズムが標準偏差でひとつ増えるごとに市場価格が16%上昇していた
  • ナルシストな作家ほど、個展やグループ展の回数が多かった

 

ってことで、ナルシストな画家の作品ほどよく売れる傾向があったらしい。ナルシストだから良い作品を描けるのか、たんにナルシストは自己アピールが得意だからなのかは不明ですけど、おもしろいもんですな。確かにピカソのナルシストぶりとかすごいですもんね。

 

 

 

睡眠不足はどこまでメンタルを悪化させるのか?

睡眠不足でメンタルが悪化する!」のは有名な話ですけど、じゃあ具体的にどれぐらい悪影響が出るの?ってとこを調べたデータ(R)が出ておりました。

 

 

で、まずは大きな結論から申し上げますと、

 

本研究は、不十分な睡眠により不安のレベルが増幅されることを示し、逆に良い睡眠はそのストレスを軽減することを強く示唆した。

 

みたいになってます。睡眠が足りないと不安になっちゃうぞーってことですね。

 

 

これがどんな研究だったかと言うと、

 

  • 実験1:18人の若者にイヤーな動画を見せた後の脳をfMRIでスキャンし、彼らがグッスリ寝た後と睡眠不足の夜の後で反応に違いが出るかを調べる
  • 実験2:全年齢層の参加者280人にオンライン調査を実施し、全員の睡眠と不安のレベルを4日間にわたって追跡する

 

って感じでして、その結果わかったのは、

 

  • 睡眠不足な人は内側前頭前皮質の活動が少ない(不安を抑えるために重要な脳のエリア)

  • 睡眠不足は不安レベルを30%上昇させる

 

だったそうな。30%の増加ってのはかなりのもんですなぁ。

 

 

研究チームいわく、

 

深い睡眠は、感情を調節する脳の前頭前野のメカニズムを回復させ、感情的・生理学的な反応の過敏さを低下させる。その結果、不安の拡大が防止できるのだ。

 

ってことで、要するに睡眠不足だと感情のブレーキが効かなくなるぞ!ってことですね。これは実体験からもわかるなぁ……(会社員時代は慢性の寝不足だったんで)。

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM