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幸福研究のエキスパート18名に聞いた「最強のメンタル改善テクランキング」ベスト10


 

このブログでは、よく「幸福になる方法」みたいなことを書いております。気分よく暮らすにはいろんな方法があるわけですが、その効果にはテクニックごとに大きな差があるんで、なるたけ成果が出やすい方法を押さえておきたいわけです。

 

 

ってとこで非常に参考になるのが、国際的な研究者チームが手がけた研究(R)です。これがどんな調査だったかと言いますと、

 

  1. 人間の幸福研究にかんするエキスパート18名を集める

  2. 過去にデータで効果が示された「幸福度を高めるための方法」から、なかでも効果が高くて実行可能なものを選んでもらう

 

みたいな感じで、世界から幸福研究のエキスパートにお願いして、「数あるメンタル改善テクのなかでも有効なのは?」ってを選んでもらったわけですね。ここに登場するエキスパートには、

 

 

といったスター科学者もたくさんふくまれてまして、ポップサイコロジー本をよく読むような方ならテンションが上がるんじゃないでしょうか。

 

 

結果、ここでは「幸福を高めるための68の方法」がピックアップされてまして、なかでも有効なテクニックのベスト10は以下のようになりました。

 

  1. 家族と友人に投資する:金があるなら物を買うのではなく、家族や友人となんらかの経験を共有したり、一緒に過ごす時間を確保したりして、身近な人間関係を改善することに投資したほうがよい。これはかなり複数の研究によって明らか。


  2. コミュニティに参加する:趣味のクラブでも互助会でもどんなコミュニティでもいいので、定期的に他の人と関わる機会を持ち、そこから得られる「ソーシャル・キャピタル」を大事にするのも超大事。人間は「帰属意識」がないと孤独や孤立に苦しみ、どんどんメンタルが損なわれていく。


  3. 精神的にも肉体的にも活動的になる:毎日1時間歩くとか、仕事に関係がない本を1時間読むなど、とにかく心身の両面でアクティブな状態をキープする。


  4. 自分なりの信仰を実践する:伝統的な信仰を持つ人たちほど幸福度が高いのは、昔から何度も証明されている。特定の信仰を持たない人の場合は、「人生の意味」みたいな哲学的な問題に取り組んでみてもよい。


  5. 体を動かす:3位のテクニックとかぶるが、体を動かす行為はとにかく幸福度を高める。あらゆる種類の定期的な運動は、気分や社会的機能を高めることを示す研究がめちゃくちゃ多い。


  6. 良い人として振る舞う:「協調性の高さ」は、幸福度と高い正の相関があることが一貫して判明しており、わりと簡単に高められることがわかっている。


  7. 寛大になる:他者への利他的な行動は、ドーパミン、セロトニン、オキシトシンなどの幸福感を高める物質で脳を活性化させることがわかっている。


  8. 健康状態をチェックする:健康のトラブルはいずれも不幸の原因になるんが、なかでも慢性的な痛みと不安はダメージが大きい。医者や歯医者への通院はマストだし、メンタルヘルスのサポートも必須。


  9. 自然を体験する:都市部でのウォーキングと比較して、森林環境でのウォーキングは、より劇的にストレスを低下させ、ポジティブな気分を高め、ワーキングメモリを強化してくれる。


  10. 仕事以外でも同僚と交流する:仕事上の交友関係は従業員のエンゲージメントを高めるが、さらにプライベートでも同僚と良い関係を保つことで、さらに幸福度が上がることがわかっている。

 

 

ってことで、最終的なランキングは、リュボミアスキー先生の「人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法」と似たようなラインナップに落ち着いてますね。いずれも、めちゃくちゃ定番なテクニックばかりですけど、結局は運動やら人付き合いに集約されるんですなぁ。

 

 

ちなみに、ここでは「効果がない」方法もピックアップされてまして、

 

  • とにかくお金を稼ぐ(お金の有無は幸福度の違いの1%程度しか説明できない)

  • トロフィーとかを飾って自分の過去の偉大さを思い起こす(実は現在の満足度をめちゃくちゃ下げる方向に働く)
  • 気持ちがいいと感じることをやる(悪い習慣にハマりやすくなり、深い目的から遠ざけてしまう)
  • 怒りを吐き出す(多くの研究により、安心感よりも怒りの再燃につながる)

 

みたいなのも挙げられておりました。基本的に、短期的な欲求や短期的な気分の改善につながるものはバックファイアを起こしやすい感じですね。

 

 

いずれにせよ、今回のベスト10はいずれもド定番のテクニックではありますが、すべてしっかりこなせている人は少ないでしょうから、気をつけておくにこしたことはないっすね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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