「AIに仕事を奪われるのでは?」って不安が正しいのかを調べた最新データの話
「AIに仕事を奪われるのでは?」って議論はずっとあって、皆さんの周りでも「ChatGPTのおかげで仕事が楽になった!」と喜ぶ人がいる一方で、「このままじゃ自分の仕事が消えてしまうのでは……」などと気に病んでるような人に心当たりがあるんじゃないでしょうか。私も常に「自分の仕事ってどうなるんじゃろ?」と思いながら今日もキーボードを叩いております。
で、この問題については昔から研究がいくつかあって、「知的生産系の仕事の半分は消える!」みたいな主張があったりもするわけです。果たして、これがどこまで事実なのかってことで、2024年に発表された直近の研究(R)を見てみましょう。あくまで米国の調査なんで日本には当てはまらないとこも多いんですけど、今のLLMは進化が速すぎるんで、常に新しいデータをチェックしとくと良い感じです。
これは2024年12月に米国の労働者を対象に行われた調査で、みんなのAIの使い方や生産性をチェックしたんだそうな。そこでまず「生成AIを使っているのはどんな人?」ってところを見てみると、
- 30.1%の人が仕事で生成AIを使っていた。つまり、3人に1人はAIを活用していた(日本だともっと率が下がるけど)。
- さらに、生成AIを使っている人の特徴を見てみると、
- 若い世代(18〜29歳) → 約30%がAIを活用
- 高学歴(大学院卒) → 50%がAIを活用
- 高所得(年収2000万円以上) → 50%がAIを活用
みたいになります。要するに、若くて高学歴・高収入な人ほど、AIをフル活用しているわけですな。逆に言えば、「AIの使い方がわからない…」とか思って放置していると、スキル格差がますます広がっちゃうのかも……って気にもなりますな。
続きましては、「AIはどんな業界で使われているのか?」ってのをチェックしてみると、
- IT・ソフトウェア開発(60%以上)
- マーケティング・広告(50%以上)
- カスタマーサポート(40%以上)
って感じでして、その一方で、農業、鉱業、政府系の職種ではほとんど活用されていなかったらしい。要するに、「情報を扱う仕事」ではAIが積極的に取り入れられている一方で、「リアルな作業が多い仕事」ではまだ導入が進んでいないってのが伺えますな。
さらに、「AIを使ってる人はどんなとこに最大のメリットを感じてるのか?」ってあたりも見てみると、これは「仕事の効率化」って答えが最も多いという当然の結果になっております。この研究では、AIを使うことで「特定の業務を終えるのにかかる時間」がどう変わるのかを調べてまして、
- AIなし:平均90分
- AIあり:平均30分
という感じで、ざっくり作業時間が1/3に短縮される傾向があったんだそうな。特にメリットが高かった業務がどんなもんだったかと言いますと、
- ライティング業務 → 2.5倍の速さで完了
- カスタマーサポート → 顧客満足度UP & 離職率DOWN
- プログラミング → コード作成スピードUP
という感じでして、私のようなライティング業へのメリットが大きいみたいっすね。私の場合、書く作業が短くなった分だけ考える時間が長くなったんで、トータルの作業時間は変わってな買ったりするんですけど、「要所と要所をつなぐようなブリッジの文章」を書くスピードが速くなったのはありがたいっすね。あと、AIを使って文章を執筆しつつ人間のチェックを加えることで、誤字脱字が減るってのはありますね。
では、以上をふまえまして、最も気になるポイントである「AIに仕事を奪われるのか?」問題を考えてみましょう。この研究では、生成AIが「労働者の補完になるのか、それとも代替するのか?」について分析してまして、その結果として「AIの影響は大きく3つのパターンに分かれるよ!」と主張しておられます。
- AIが人間のスキルを底上げする(補完):特に影響が大きいのは、知的労働(ライティング、マーケティング、IT系)の分野。AIをうまく活用することで、仕事のクオリティが向上し、「AIを使える人材」ほど価値が上がる傾向にある。
- 単純作業が自動化される(代替):一方で、単純なデータ入力やカスタマーサポートの一部では、人間が不要になるケースもある。実際にAIチャットボットの普及で、カスタマーサポートの雇用が減少しているというデータもある。
- 「中程度のスキル」が求められる仕事は影響が少ない:当然ながら「肉体労働や接客業」など、人とのリアルなコミュニケーションが必要な仕事は、AIの影響を受けにくい。たとえば、レストランのウェイターや介護士などは、AIに完全に置き換えられる可能性は低い。
ってことで、どうやら私のような仕事は「補完」にあたるため、「もっとガンガンにAIを使い倒すことを考えるべきだ!」って方向に舵を切ったほうが良さそうであります。一方で、当たり前なんだけど、よりフィジカルな仕事は影響が少ないので、「どっかAIが役立つとこないかなー」ぐらいの姿勢で活かしていくのが良いのかもしれません。
そんなわけで、いろいろと見てみましたが、この研究を踏まえると、AIが得意なこと・苦手なことを理解した上で、AIが苦手な「補完スキル」を磨く方向で意識したほうが良さそうっすね。この文献に AIの「補完スキル」までは示されてないものの、普通に考えれば「戦略の立案と決定」「創造性」「コミュ力」といったあたりでしょうか。このあたりを意識しておくと、「AIに仕事を奪われる側」ではなく、「AIを使いこなしてキャリアを伸ばす側」に回れるんじゃないでしょうか。まー、いずれにせよAIが単純作業をガンガンに置き換えていく未来は確実に来ますんで、「AI + 人間」のハイブリッドな働き方を模索するしかないっすよねー。