最強の時間管理法とは「人のために時間を使う」こと
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いつも「時間がない!」と感じている方にオススメしたいのが、2012年にサイコロジカルサイエンスに出た論文(1) 。
これは、主観的な時間の変化について調べた実験で、被験者を以下の2グループにわけたんですね。
- 5分間だけ、事務作業をしたグループ
- 5分間だけ、恵まれない子どもたちに手紙を書いたグループ
すると、おもしろいことに、2番目の手紙グループのほうは、その1日を「今日は時間に余裕を持って過ごせたな〜」と感じられたというんですな。
ポイントは、少しでもいいから「他人のために時間を使う」こと。人の役に立ったという実感が、自己効力感(「オレはやればできる!」と思えること)が高まり、その結果、心の余裕が主観的な時間も引き伸ばしてくれるみたい。以前に「『人は変われる!』と信じたほうが健康も頭も良くなる」で紹介したように、自己効力感は健康や知性をアップしてくれる重要な要素ですが、実は時間の感覚にも影響を与えるんですねぇ。
「いや、主観的な時間が伸びてもしょうがない。だって、自分に足りないのは物理的な時間なんだもん!」と思っちゃう方もいそうですが、社会学者のジョン・ロビンソンによれば、現代人はいままでになくヒマな時間を持っていて、忙しいと感じるのは錯覚にすぎないんだそうで。
その原因としては、仕事をしながらSNSを見るようなマルチタスクが増えたのが原因と言われてまして、「ながら作業」で集中力が大きく落ちた結果、「時間が足りない!」って感覚につながっているみたい。これは個人的な経験からも理解できるところで、今年の頭に「シングルタスク」を目標にして、できるだけ守るようにしたところ、あきらかに心の余裕が違うんですよね。実際の仕事時間は変わってないんですが、いつも何かに追われるような感覚が薄まったと言いますか。
そんなわけで、忙しさの感覚をなくすためには、
- 1日のどこかで、他人を助けるための時間を持つ(論文によれば15分でOKらしい)
- できるだけシングルタスクで作業を行うようにを心がける
の2つがポイント。にしても、やっぱり「ギバー」であるのって大事なんですねぇ。
credit: arimoore via FindCC