お金で幸せを買う方法・その2
以前に「物を買えば買うほど不幸になるよ!」なんてデータを紹介しましたが、「物を買うより経験に金を払うほうが幸せになれるよ!」って話はもはや常識になりつつありまして、1,000人のご老人を対象にした調査でも、裕福さは幸せと関係ない!って結論が出ております。
とはいえ、ショッピングは脳の「ごほうび」センサーと密接に結びついてまして、そう簡単にあきらめられるものじゃございません。かく言うわたしも、原稿が詰まってストレスがたまると、ついAmazonで読みもしない本や不要なサプリを買ったりする傾向があって難儀しております。
で、そこで参考になるのが、「物を買って幸せになれるケースもあるよ!」というミシガン大学の研究(1)。幸せををもたらす物とは、結論から言うと「何かをするために買う物」のこと。
たとえばギターを買う場合は、ギターそのものが欲しいんじゃなくて曲を弾きたいから買うわけだし、 ランニングシューズは走るために買うわけですね。どちらも、商品自体よりも、その商品がもたらす経験が目的になっているのがミソ。こういった商品を、論文では「経験的アイテム」と呼んでおります。
なので、「あのバッグが可愛いから欲しい!」や「いい家に住みたい!」って動機は不幸への道だし、同じギターを買うのでも、たんに「自慢のギターコレクションに加えたい!」みたいになっちゃうと意味がなくなっちゃう。個人の心の持ちようによるところが大きいんですね。
また、論文によると、その商品が「経験的アイテム」かどうかを満たす条件がありまして、ざっくりまとめると、
- 他人との結びつきが強くなる
- スキルの上達が見込める
- 自主性を発揮できる
こんな感じ。再びギターの例でいえば、音楽で自分を表現できて(自主性)、演奏が上手くなって(スキルの上達)、友人に演奏して楽しめる(他人との結びつき)という点で条件を満たしてるわけですね。
もちろん、「物より経験に金を払おう!」は第一のルールなんですが、物が欲しいときは「これは経験的アイテムかどうか?」を基準に選んでみるとよさげです。個人的にも、これは良いガイドラインになりそう。
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credit: 401(K) 2013 via FindCC