プラセンタ注射はどこまで効果があるのか?
昨日、美容整形に関するメールにお答えしましたが、そのなかに「プラセンタ注射についてはどうお考えでしょうか?」とのご質問もありましたので、続けて考えてみたいと思います。
そもそもプラセンタは研究例が少ない
ご存じのように、プラセンタ注射は胎盤から抽出した成分。体の治癒力を高めて、疲労やアレルギー、シワ、肌荒れ、肝炎など、さまざまな症状に効くと言われております。ナインティナインの岡村さんや浅草キッドの水道橋博士などは、発毛のために使っているとか。
まさしく万能薬のような扱いを受けるプラセンタですが、いざ論文を調べてみますと、確実に効くって証拠が非常に少ないのが現状であります。というのも、プラセンタ注射を行ってるのはほぼ日本と韓国だけで、研究例があんまりないんですよね。
1つは韓国で行われた臨床テスト(1)で、プラセンタ注射を行った80人の女性を調べたところ、疲労と更年期障害が有意に軽くなったそうな。研究者によれば、プラセンタにふくまれる免疫性の物質が効いているのかも?ってことらしい。日本でも、プラセンタは更年期障害に対して保険が効くんで、このあたりの効果については信用しても良さそう。
美肌やシワのばし効果については疑問
一方で、美肌やシワのばしの効果があるかというと、かなり疑問が残るところではあります。確かにプラセンタにはコラーゲンの産生をアップする成分が入ってまして、肌に良い可能性もなくはないわけですが、2007年の論文(2)では「傷の治り方に関しては消毒薬と同じレベル」って結論になっております。
もちろん、これはあくまでプラセンタが傷口に効くかを調べただけなんで、本当にアンチエイジング効果があるかどうかは、ヒトへの臨床テストが行われるのを待つしかない感じ。また、プラセンタには体内の炎症をうながすサイトカインやインターロイキンも入ってまして、そのへんもどう影響してくるのかわからんところです。
まとめ
そんなわけで、プラセンタ注射に関しては、まだまだわからないことが多すぎて、「もしかしたら効くかもだけど、いまのところ怪しいかな〜」といったところ。 個人的には、1本1,500円ものプラセンタ注射にお金を使うなら、鶏ガラスープでアミノ酸をとりつつ、亜鉛・ビオチン・鉄分をちゃんと摂取し、さらに足りないところをサプリで補うほうをオススメしておきます。
credit: lunar caustic via FindCC