不安感を抱きがちな人ほど言語的な知性が高い
不安な感情は誰でも嫌なものですが、近ごろ出た論文(1)によれば「不安感を抱きがちな人ほど知性が高い」そうな。
これはレイクヘッド大学の調査でして、126人の学生に不安度のテスト(「いつも何かを心配していますか?」みたいな質問に答えてもらう)とネガティブ思考度のテスト(「『わたしは今やってることにふさわしい人間ではない』とよく思いますか?」みたいな質問に答えてもらう)を受けてもらったんですね。
で、その結果を、各自のIQと照らしあわせてみたところ、以下の傾向が見られたんだそうな。
- 心配性な人ほど言語性IQが高い
- 心配性な人ほど動作性IQが低い
「言語性IQ」は言葉を使った表現力で、これが高いと文章や勉強が得意。「動作性IQ」は作業や運動の能力で、これが高いと器用で事務作業なんかが上手。どちらも実生活には必須の能力であります。
こういった現象が起きるのは、
言語性IQが高い人は、過去と未来に起きたできごとを細部まで記憶する能力に長けている。そのため、より強めに不安やネガティブな思考を思い返すことになる。一方で、動作性IQが高いと、対人コミュニケーションにおける視覚的な情報を処理しがちだ。その結果、過去の会話やコミュニケーションの場面を、あとで頭のなかでくり返すことは少なくなる。
言語性IQの持ち主は記憶力がよいので、逆に嫌なできごとの細部まで覚えちゃって、あとで苦しむことになるんだ、と。わたしのような心配性の人間としては、言語性IQが高いのはうれしいものの、動作性IQの低さは気になっちゃうところ。
ちなみに、2,012年の論文(2)でも心配性は知性が高いって結果が出てるほか、不安が強い人は注意力と分析力が高いってデータもありますし、自分の欠点が持つ「強み」を認識するのが大事って話も出てますんで、今後は不安感のメリットを活かす方向で考えていきたい所存です。