14人のサイコパスの脳を調べてわかったこと
https://yuchrszk.blogspot.com/2016/08/14.html
個人的にサイコパスに興味があるもんで、定期的にサイコパスの実験を追いかけております。
で、ここんとこよく聞くのが、「良いサイコパスと悪いサイコパスって何が違うの?」って疑問。というのも、サイコパスには凶悪な犯罪者がいるいっぽうで、社長や弁護士、芸能人として成功している人も多いんですよね。そのサはどこにあるんだ、と。
ってことで新しく出た論文(1)では、実際にサイコパスの脳をスキャンしてまして驚きました。
これはラドバウド大学の実験で、以下のメンツを参加者にそろえたらしい。
- 犯罪歴はないけどサイコパス傾向を持つ10人
- 犯罪歴もサイコパス傾向もない10人
- 犯罪をおかしたサイコパス14人
そのうえで全員の脳をMRIにかけたんだそうな。実際に犯罪歴があるサイコパスを対象にしてるのが凄いですねぇ。
それで何がわかったかといいますと、
- 犯罪をおかすサイコパスは
- 脳の報酬系の活動がやたらと活発
- 報酬系と内側前脳束の連結が弱い
みたいな感じ。この結果を超ざっくり翻訳すると、
- 犯罪をおかすサイコパスは
- 目の前の欲望を追っかけまくり
- 欲望に対して自分をおさえられない
ってとこです。まぁ当たり前っちゃ当たり前なんですが、逆に言えばセルフコントロール能力が高いサイコパスは成功しやすいわけですな。
過去の研究により、サイコパス的な特徴を持つ人は、犯罪者でなくとも報酬の期待によって脳が活性化することがわかっている。
今回の研究では、犯罪歴があるサイコパスほど外的な報酬の影響を受けやすいことがわかった。
反社会的な行動や自己中心的なふるまいは、脳の報酬系の過剰な活動と関係しているようだ。
というわけで、悪いサイコパスを見抜くには、共感力や感情の無さに目を向けるよりも、衝動性や自己中心的なふるまいのほうに注目したほうがいいとのこと。ちょっと前にも「職場で役に立つサイコパスと役に立たないサイコパスの違い」みたいな研究がありましたけど、似たような結論になってますなー。