今週末の小ネタ:全乳が子供の肥満を防ぐ、人間が音楽に抱く感情、教師が美男美女で成績アップ?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
全乳が子供の肥満を防ぐかも?というメタ分析
「全乳が子供の肥満を防ぐ!」みたいなメタ分析(R)が出ておりました。
これは1歳〜18歳までの健康な子供を対象にした観察研究をまとめたもので、28件の研究のデータをもとに「牛乳を飲む量」と「体脂肪」「BMI」の関係を調べてくれております。そのうち20件は横断的研究で、参加者の総数20,897人だったそうな。
で、どんな結果が出たかと言いますと、
- 全体的には、全乳を飲む子供は過体重または肥満のオッズが39%低かった
- 10件の研究では牛乳の摂取量と子供の肥満に関連性は認められなかったが、他の18件では脂肪が高い牛乳を飲むと体脂肪が減る傾向が確認されていた
みたいな感じになってます。データ全体の差がデカいんで、これだとまだ「牛乳は肥満を防ぐ!」とは言えないものの、ざっくりした感じでは全乳は体重コントロールのメリットがありそうな雰囲気ではあります。
ただ、いまんとこ「全乳がなぜ肥満の予防になるの?」ってメカニズムはさっぱりわかってないんですが、「全乳の脂肪分が満腹感をアップするから?」みたいな仮説が推測されておりました。私は子供の頃に牛乳を飲みすぎて肥満になったタイプなんで何とも判断しづらいんですが、もしかしたら「全乳は体重管理にいいのかも?」って可能性は知っておいても良いかもっすな。
人間が音楽に抱く感情は13パターンある
「音楽がどんな感情を引き起こすのかを調べてみたぞ!」ってな風変わりな研究(R)が出ておりました。
これは1,591人のアメリカ人と1,258人の中国人を対象にした研究で、全員に何百パターンの音楽クリップを聞いてもらい、その上でみんなにどんな感情を抱いたを解説してもらったんだそうな。その後、大規模な統計ツールを使って参加者の主観的な体験をまとめたところ、「人間が音楽に抱く感情は13パターンある!」ってのがわかったらしい。
具体的には、以下のようになっております。
- 楽しさ
- イライラ
- 不安
- 美しさ
- 反抗的
- 夢見心地
- エロティシズム
- テンションが上がる感じ
- 喜び
- リラクゼーション
- 悲しみ
- 恐怖
- 勝利
ただ、単語だけを見てもよくわからんと思うので、具体的には研究チームが作ったインタラクティブマップをご参照ください。それぞれの感情ワードに近いとこにカーソルを当てると、「不安エリア」ではいかにも不安定な音楽が流れて、「喜びエリア」では陽気な音楽が流れますんで。
この研究の使い方は様々しょうが、個人的には、この感情分類をベースにしつついろんなタイプの曲に触れてみるのがおすすめです。「いつも自分は楽しげなのばっか聞いてるから、たまには不安系も聞いてみるか……」みたいな感じで体験の幅を広げていただくと、好奇心レベルも向上していって良いのではないかと。
教師が美男美女だと生徒の成績も上がる?
「教師が美男美女だと生徒の成績も上がる?」という身もふたもないデータ(R)が出ておりました。
これは100人以上の学生を対象にした試験で、どんなデザインだったかと言いますと、
- 物理学の講義の録音データを20分ほど聞くように指示
- その間に、「美男美女の写真」または「見た目が悪い男女の写真」の2パターンを見せつつ、「この講義をしているのは、この写真の人です」と教える
って感じになってます。講師のルックスによって、学生たちの受講態度に変化が出るかどうかを調べたわけっすね。
で、データを聴き終わった学生たちに講義内容に関するクイズを出したところ、
- 「美男美女の講義を聞いた」と思っていた学生は、「魅力的ではない人の講義だった」と思いこまされた学生よりもスコアが高かった(平均18.27 vs.16.68)
ってことで、小さい差ながらも有意な違いが確認されたらしい。
まぁこれが現実の世界でも確認されるかどうかはわからんですが、研究チームはこう言っております。
講師の身体的な魅力は、教室での学習では見過ごされていた役割を果たしているかもしれない。もちろん、魅力のない人間が劣っていると言いたいわけではないが。
というわけで、まだ留保付きながらもおもしろい結果だなーとか思うわけです。とりあえず何かを学ぶときは美男美女の教師についてみるのはありかもですね(笑)