初対面の人との好感度を判断したきゃ一緒に歩け!みたいな実験の話
「脈ありを見抜きたきゃ一緖に歩こう!」と思わせるデータ(R)がおもしろかったんでメモ。相手がこちらに良い印象を持ってるかどうかは、一緒に歩いてみるとわかるというんですな。
これは東北大学の研究で、67人の男女を対象にしたもの。どんなデザインだったかと言いますと、
- 初対面の参加者をペアにして、静かな道に沿って並んで歩くように指示
- 参加者がどんな歩き方をしていたかを、GPSデバイスに偽装したモーションセンサーでチェック
みたいになっていて、要は「人間の好感度は歩き方に反映されるんじゃないか?」ってとこを調べたわけです。
参加者が歩いた距離は往復約350mで、所要時間は約6〜9分だったとのこと。その際に、全体を3つの条件下に置いております。
- 相手と無言のまま歩き、帰り道で軽く会話する
- なにもしゃべらずに歩く
- そもそも歩かない
でもって、みんなが歩き終わったあとで「パートナーの印象はどんなもんですか?」と評価するようにお願いしたところ、こんな結果になりました。
- 基本的に、一緒に歩いた人の第一印象はより良い傾向があった。この傾向は、会話の有無にかかわらず確認された
- 互いの印象が良いペアほど、歩行ペースがシンクロしている割合が高かった
- 一緒に歩かずに会話しただけの場合は印象の向上は見られなかった
だったそうで、人間は好きな相手と歩くと歩調がシンクロするし、ひょっとしたら一緒に歩くだけでも好感度が上がるかもしれないんだ、と。おもしろいもんですねぇ。
研究チームいわく、
人の特徴や第一印象が微妙な歩行動作に反映されていることを発見したのは驚きです。ほとんどの人は自分の歩幅が他の人と同期していることすら知らないと思います。
身長や体重などの身体的な特徴が、他者とコミュニケーションを取る際の動作に影響することはよく知られていた。しかし、今回の研究により、心理的特性も動作に影響を及ぼすことが分かってきた。
たとえ言葉によるコミュニケーションがなくても、並んで歩くだけで、見知らぬ2人の社会的関係が変わる可能性がある。
とのこと。そんなわけで、初対面の人と仲良くしたい時は、
- いきなり座って会話するんじゃなくて、とりあえず10分ぐらい一緒に歩いてみつつコミュニケーションを取る
- ついでに、その際は「歩くペースが合っててきたかな?」とか意識して、相手がこちらに持ってる第一印象が改善してきたかをチェックする
みたいなあたりを心がけるといいかもしれません。一緒に歩くことがコミュニケーションに反映される理由はよくわからんですが、なんらかの動きがあった方が2人の関係が同調しやすいってのはわかりやすいかもしれませんな。