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今週半ばの小ネタ:血圧改善でどこまで塩を減らすか、ヤバい性格の人って幸福なの? 好きな性格と見た目が一致してる人ほどモテやすい?

Summary

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

    

 

 

血圧を改善するには減塩の期間をどれぐらい作ればいいの?のメタ分析

肉体を若く保つには血圧の管理が大事!ってのは周知の事実。血圧が高い時点で血管が痛みはじめてるのは間違いなく、数値がヤバめな方はぜひ改善をお考えくださればと。

 

 

で、新たなメタ分析(R)では「血圧を改善するには減塩の期間をどれぐらい作ればいいの?」ってのを調べてくれておりました。血圧の改善には塩を減らすのが定番(1日5g以下)ですが、そんな食事をどれぐらい続けたら効果が出るのか?みたいな話っすね、

 

 

これは133のRCTから12,197人のデータをまとめたもので、だいたいは「減塩の食事」と「普通の食事」をくらべて尿のナトリウム量をチェックする感じになってます。細かいとこは置いといて、結論だけ言っちゃうと、

 

  • 減塩の食事は最低でも2週間は続けるべし!(14日より少ないと、せっかくの血圧改善メリットが半減しちゃうので)

  • ただし、塩分は減らせば減らすほど効果があるし、期間を長くすればするほど効果が高まるよ!(これは当たり前ですな)

 

という感じになります。だいたい尿のナトリウムが50mmol減るごとに、最高血圧が1.10mmHg、最低血圧が0.33mmHgずつ下がるようなんで、やっぱ減塩って意味あるよなーってとこですね。まぁ野菜をガンガン食ってればそこまで問題ないと思いますが、ご参考までに。

 

 

 

ヤバい性格の持ち主は幸福な人生を送ってるのか?問題

ダークトライアドの話(R)が出てたんでまとめときます。ダークトライアドは、サイコパス、ナルシスト、マキャベリストという人間の暗黒面を3つピックアップした考え方で、くわしくは「人間のヤバい性格は大きく4つある説」をどうぞ。

 

 

で、この新しいデータがなにを調べたかと言いますと、

 

  • ダークトライアドな人は人生が幸福なのか不幸なのか?

 

って問題です。自分のことしか考えなかったり、平気で人をだますようなキャラの人は、果たして幸せな人生を送れているのか?ってポイントですね。普通に考えれば不幸な気もしますが、なにせ本人は自分の好きなように行動してるわけですから、意外と幸福な可能性もありますからねぇ。

 

 

ってことで研究では1,177名の韓国人男女を集めて、

 

  1. みんなの普段の幸福度とダークトライアドのチェックをする

  2. みんなの回答を調べて、ダークトライアドレベルと幸福度を確かめる

 

って調査をしたんだそうな。すると、ダークトライアドのなかにも幸福度には違いがありまして、

 

  • マキャベリストとサイコパスは一貫して幸福度が低く、人生に対する満足度が低く、ネガティブな感情が強く、ポジティブな人間関係が少なかった。これは、マキャベリストとサイコパスが、「幸せはつかの間のものだ」や「幸せは悪いことにつながる」といった信念を持ちやすいのが原因だと考えられる

 

  • 一方で、ナルシストについては、幸福度が高い傾向があった

 

だそうです。他人をだます人や共感力がない人は幸福度が下がるものの、「自分大好き!」って人の場合は逆に幸せな人生を送れるのではないか、と。研究チームいわく、

 

自己愛と幸福の関係は意外かもしれないが、これまでの研究でも自己愛と幸福度の間にはポジティブな関係があることがわかっている。

 

とのことで、過去にも「ナルシストは幸せ」ってデータはわりと多いらしい。自己愛強めな人は周囲には迷惑をかけるものの、自分は幸せな可能性があるかもしれないわけですね。なんか不公平(笑

 

 

ただ、今回の調査を見てますと、ナルシズムの検査に使われた質問が、おもに「肯定的な自己評価」とか「俺は偉いのだ!感覚」みたいなポイントを測定してるんで、マキャベリストとサイコパスより幸福度が高めに出るんじゃないのかなーって気はしました。たとえば、過去には「脆弱なタイプのナルシスト」の存在も指摘されてまして、ここらへんの要素を組み込んだらまた話は違うかも。

 

 

 

好きな性格と見た目が一致してる人ほどモテやすい説

「性格が良い人が好き!」といったことを言う人は多いでしょうが、近ごろ「性格と見た目が一致してないとモテづらくなるぞ!」みたいなデータ(R)が出てておもしろかったです。これはニューヨーク大学などの調査で、

 

  1. 131人の女性に協力を頼み、いろんな男性の写真を見てもらう

  2. それぞれの男性のルックスの魅力を評価してもらい、さらにそれぞれの顔だけを見て「この人はどんな性格だと思うか?」も尋ねる

  3. さらに、すべての参加者に「パートナーに選ぶならどんな性格の人がいい?」と尋ねる

 

といった感じで「ルックス」と「性格の好み」の関係をチェックしたんだそうな。で、どんな傾向が出たかと言うと、こんなふうになってます。

 

  • ほとんどの女性は、温かさ、信頼性、共感性、独立性などの性格を持つ男性を好み、支配性、攻撃性、競争性、従順性などの性格はそこまで評価しなかった

  • 女性が好む性格は、男性の顔に対する魅力度の評価と相関していた

 

ふたつめのポイントがちょっとわかりにくいですけど、要するに、

 

  • 男性に暖かさを求める女性は、暖かそうに見える顔立ちを魅力的だと感じやすい(目尻が下がってるとか)
  • 男性に自信を求める女性は、自信満々に見える顔立ちを魅力的だと感じやすい(眉毛が濃いとか)

 

みたいな話です。チームいわく、

 

人間のルックスは、若々しさや肌の滑らかさなどで魅力が左右すると思われている(確かに、これは科学的な裏付けも存在する)。これは間違いないことだが、人間のルックスの好みは、その人がどの性格を好きかどうかにも左右される。

 

とのこと。まぁそれはそうだろうなーって感じの結論ですが、そう考えると「相手はどんな性格を求めているのか?」ってのに合わせて、自分の見た目を寄せていく作業をするのはありかもしんないっすね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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