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戦場で3年間ヒトを殺し続けた少年の手記 |「戦場から生きのびて」


「戦場から生きのびて ぼくは少年兵士だった」を読みました。



先日から個人的に取りかかっている、米アマゾンの「一生のうちに読むべき100冊」を 読んでみるシリーズの4冊め。1991年のシエラレオネ内戦で家族を惨殺され、13歳で政府軍の少年兵にされた男性の手記であります。


13歳の少年がコカインで洗脳され、敵のノドを容赦なくナイフで裂くようになるまでの過程や、罪のない村を襲った反乱軍が住民の頭部を持ち歩く様子など、ハードな戦争描写の嵐。「ランボー2」とか「コマンドー」のようなアクション映画をみて「あの技を使ってみたい!」と興奮するくだりや、悪夢にとりつかれて隣で眠る少年の首を締め出すところなど、リアリティがありすぎるエピソードの連続に驚かされました。


が、それでも止まらずに読み進められるのは、アメリカ流のエンターテイメント技法を使った場面展開が非常にうまいからでしょう。というのも、著者はシエラレオネを脱出したあと、ニューヨークで“ストーリーテリング”の技術を教える女性に庇護され、そこで正統的な作劇のテクニックを学んだらしいんですな。その結果、本書はたんなる時系列の記述にとどまらず、ほどよくフラッシュバックやフラッシュフォワードを使ったエンタメ寄りの語り口になっております。


また、わたしが本書で好きなのは、アフリカらしい土俗感のあるエピソードがところどころに挟まるところ。たとえば、空腹で戦場を逃げまどう主人公に、見知らぬ老人がヤムイモをふるまってくれる場面

「わしの名前など知らんでいい。次の村に着いたら、わしのことは「置いてきぼりにされた爺」とでも言ってくれ(中略)。わしは、この戦争の終わりを行きて見届けることはないだろう。だから、きみたちの記憶力をほかのことにとっておくように、わしの名前は教えない。さあ、行くがいい」



あまりの格好良さにシビれました。


さらに特筆すべきが、ラスト2ページの読後感。ネタバレになるので詳細は避けますが、このエンディングは本当に素晴らしい。地獄を見た著者が最後にたどりついた心境が、禅問答のような逸話にからめて見事に描かれております。「ラスト2ページが凄い本選手権」があったら、間違いなくトップクラスに入るでしょう(笑)。


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41才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。国内外の学術論文を読み漁るのが好きな人。パレオダイエットの本を書きました。