ヨガのメンタル改善効果は半年後に遅れてやってくる?
ヨガが最強のメンタル改善法?
ここんとこ「瞑想が鬱に効く!」ってデータがたくさん出てまして、同時に「運動が鬱に効く!」って論文も昔から山ほどあるわけです。
ってことで近ごろ言われるのが「ヨガこそ最強なんじゃないの?」って考え方が。ヨガはマインドフルネスと運動の要素を兼ね備えてるんで、そのぶんだけ効果が高いのでないかって説ですね。
ただし、まだまだヨガとメンタルの関係を明らかにしたデータは少なくて、2013年のメタ分析でも「研究の質が低くてよくわからん(でも効く可能性はあるかも)」ぐらいの結論。もうちょい証拠が欲しいとこなんですよ。
そんな状況下、ヨガとメンタルの実験としては最大級の実験(1)が出まして、ちょっとおもしろかったです。
10週目でヨガは鬱を改善しなかった
これはブラウン大とUCLAの研究で、軽度の鬱病に悩む122人を2つのグループにわけております。
- ハタヨガをやる
- 健康知識のレッスンを受講
ハタヨガってのは一番ベーシックなヨガで、決まったポーズをゆっくり行うタイプ。町のヨガ教室でよく教えてるようなやつです。
ヨガのペースは週1〜2で、10週間後にどうなったかを調べたんですね。すると、
- 10週目の時点ではヨガの効果なし!
って結果だったんですね。いやー、ちょっと意外。
ヨガの効果は半年後に出る?
ただし、この実験には続きがありまして、さらに6カ月後にフォローアップを行ったら、
- ヨガグループの半分は、鬱病の症状が50%ほど改善していた(健康レッスングループは31%の改善)
みたいな違いが出たらしい。なんか不思議な結果ですねぇ。
研究者いわく、
ヨガの介入が終わった時点では参加者に改善は見られなかったが、フォローアップでは鬱病の症状がやわらいだ。ヨガの効果は遅れてやってくるのかもしれない。
とのこと。つい最近も「マインドフルネスの効果の出方には時差がある」みたいな話があったんで、ひょっとしたらあり得るのかも。
もっとも、この実験は、もともと「ヨガに興味があった人」を対象にしてるんで、たんにプラシーボ効果が働いた可能性も大。そのへんは「よくわからん」としか言いようがないっすね。
ちなみに、個人的には、この結果を見て「やっぱメンタルの改善にはエクササイズがベストなんだろうな〜」って思いを強くしました。実験データの絶対数が多いのはもちろん、症状の改善レベルをみても運動が抜きん出てる感じなんですよねぇ。
まとめ
ってことで現時点でのまとめとしては、
- 重い鬱の人はちゃんとクスリも飲もう!
- ヨガを補助に使うぶんには全然アリ!
ぐらいの印象ですね。やっぱメンタルの改善には認知行動療法と運動のセットがベストってことで。