どうしても「夜型人間」はサラリーマン生活に不利になっちゃう問題
夜型はサラリーマン生活に不利?
よく「朝型・夜型」なんて区別をいたします。もともと人間には「早起きが得意な人」と「夜にエンジンがかかる人」の2種類があり、その傾向はかなりのレベルまで遺伝で決まっているみたいな話ですね。
で、当然ながら、夜型人間はサラリーマンに不利なわけです。なんせ夜型は日が沈んだあとも元気なので、自然と睡眠が足りなくなってパフォーマンスが低下するんですね。これは、過去のデータで何度か確認されている話。
が、近ごろ出た論文(1)だと、「睡眠が足りてたとしても夜型はやっぱサラリーマン生活に不利!」と思わせる結論になってて参考になりました。
グッスリ眠っても夜型はパフォーマンスが低くなる
これはフローニンゲン大学の研究で、523人の学生を対象にしたもの。全員から4万件以上のテスト結果を集めたうえで、それぞれのクロノタイプ(朝型か夜型か)とくらべたんですね。朝型か夜型かの判断には、定番のミュンヘンクロノタイプ質問紙を使ったみたい。
その結果がどうだったかと言うと、
- やっぱり夜型の生徒のほうが成績が悪かった
- クロノタイプが1時間遅くなるごとに、およそ0.06ポイントほど成績の低下がみられた(0〜10点の尺度を使用
- でもって、夜型の成績低下は睡眠の量とは関係がなかった
だったんですね。 つまり、夜型のクロノタイプを持っている場合は、いくら十分な睡眠を取っても満足なパフォーマンスを発揮できない可能性があるんだ、と。
現代の始業時間は夜型に不利
その理由については、いまんとこ「夜型のタイミングで学校がやってないから」って説が有力っぽい。夜型は午後から夜にかけてパフォーマンスが上がっていくのに、いまの学校は朝方向けの時間帯で運営してるのが問題じゃないの?って話ですね。私も夜型人間なので、このへんは非常に共感できるところ。
研究者いわく、
現時点で、学校の始業時間が早いのは、夜型クロノタイプにとっては差別的な形態だ。知性や裕福さといった要素にくらべれば、生徒のクロノタイプに応じて学校のスケジュールを変えるほうが容易で、その見返りも大きい。
多くの要因と同じように、夜型のクロノタイプは欠点や病気ではない。人類の多様性のひとつに過ぎないのだ。
とのこと。そう考えると、会社運営も社員のクロノタイプに合わせたほうが上手くいくのかもしれんですな。なかなか難しい気もしますが。
そんなわけで、夜型人間にはなかなかツラい話ながら、いっぽうで「夜型のほうが年収が高くてモテる!」ってデータもありますんで、トータルでどっちが有利かと言われれば難しいところです。それぞれのメリットを活かすように考えるしかなさげ。