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花粉症に効くかもなプロバイオティクスが見つかった件

Pollen

 

 プロバイオティクスで花粉症は治るか?

プロバイオティクス」(腸内細菌サプリ)が花粉症に効くかも?って話が10年ぐらい前からあるんですよ。

 

 

というのも、近年では「アレルギーって腸内環境の悪化が原因じゃない?」という説がありまして、ならば、お腹の調子をよくするプロバイオティクスが免疫システムの正常化にも役立つんじゃないかと考えられてるわけです。

 

 



 

 

 プロバイオティクスとプラシーボを比較

もっとも、まだ歴史が浅い話なので、いまはどんな細菌が良いのかは不明。というか、本当にプロバイオティクスが花粉症に効くのかすらわからないレベルだったりします。

 

 

そんな状況下、なかなか良いデザインのRCT(1)が出まして、私のようなアレルギー持ちには使えそうな内容になってました。

 

 

実験の参加者は、花粉症の症状がヒドい男女173名。年齢は18〜27才までのあいだで、まずは全体を半分にわけて、

 

  1. プロバイオティクスを1日2回飲む
  2. プラシーボカプセルを1日2回飲む

 

 って感じで8週間ほど過ごしてもらったそうな。

 

 

 プロバイオティクスはまずまずの結果

そのうえで、みんなにアンケートを取り、「よく眠れるようになったか?」とか「鼻をかむ回数は減ったか?」とか「目のかゆみは消えたか?」みたいなQOL(人生の質)の変化をチェック。くわえて、下痢や便秘、腹痛といったお腹の調子も調べたうえで分析したんですね。

 

 

さて、結果がどうだっかと言いますと、

 

  • プロバイオティクスグループは、アレルギー症状がやや減った(7点満点で0.5ポイントの差)
  • 血液検査では、IgE抗体のレベルには両グループで差がなかった
  • 制御性T細胞(免疫の暴走をコントロールする細胞)にも差はなかった
  • プロバイオティクスグループは便秘が減り、大腸菌の減少も確認された

 

って感じ。「ハッキリ効果が出た!」とも言えるし「効果はイマイチ!」とも言える、ちょっと判断が難しい結果になってますね。

 

 

他のアレルギー対策とセットで使うならアリ

もっとも「プロバイオティクスは花粉症にそこそこの効果が?」ってのは前から言われてたことで、たとえば2015年のメタ分析(2)なんかでも「QOLは間違いなくアップするけど、個人差が大きくて明確な数値を出すのは難しいよねー」ぐらいの結論。あんま期待せずに、自分に合ってればもうけものぐらいの気持ちで試すのがよさげですね。

 

 

まあ、今回の実験では「いままで何の花粉症対策もしてない人」を基準に参加者を選んでますんで、たとえば減感作療法とか舌下免疫療法などの補助として使うぶんにはアリなのかなーとも思います。

 

 

ちなみに、この実験では3種類の菌株をミックスしてまして、

 

  • Lactobacillus gasseri†KS-13
  • Bifidobacterium bifidum G9-1
  • Bifidobacterium longum MM-2

 

 の組み合わせを使った模様。この3種は2015年にも試験(2)が行われていて、3週間の服用で体内の炎症が減ったなんてデータも出てまして、ここ数年で、だいぶ良い印象が出てきた感じがしております。さっそく試してみよう(笑)

 

 

いろいろ探してたら、Phillip’sのコロン・ヘルスがバッチリ3種類をふくんでたんで、ちょっとこれを買ってみようかと。安くてレビューもよくてなかなかよさげ。

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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