今週の小ネタ:二日酔いが悪化しやすい性格、親切心を一発でアップさせる技術
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
二日酔いがヒドくなりやすい性格とは?
まずはエクスター大学の論文(1)で、「二日酔いがヒドくなりやすい性格があるよ!」っていうおもしろい内容になっております。
97人の酒飲みを対象にした実験でして、全体を2つのグループに分けたんですな。
- 6杯分の酒を飲む
- シラフのまま過ごしてもらう
そのうえで全員のパーソナリティテストをして、それぞれの酔い方にどんな違いが出るかをチェックしたんだとか。
で、その結論を引用すると、
社交の不安をまぎらわせるために酒を飲む人は少なくない。しかし、このリサーチでわかったのは、不安解消のために酒を飲むと翌日にリバウンドするという事実だ。
この現象は根がシャイな人ほど度合いが大きく、恥ずかしがり屋ほど翌日にヒドい二日酔いを経験しがちだ。
とのこと。楽しむのが目的で酒を飲むならいいんだけど、ストレスをまぎらわせるためにアルコールを使うと二日酔いがヒドくなり、その悪影響は人見知りほど大きいんだ、と。
研究チームは、この現象を「ハングザイエティ(hangxiety)」(二日酔い+不安)と呼んでおります。社交不安が二日酔いを悪化させるってのは知らなかったなぁ。私もかつて酒を飲んでたころはやたら二日酔いになりやすかったんですが、これは自分の人見知りのせいだったのだろうか……(たんに飲み過ぎなだけかもしれませんが)。
ちなみに、研究者はシャイな人にこんなアドバイスを送っております。
大事なのは、人見知りや内向性を受け入れることだ。それだけでもアルコールの悪影響を減らせるはずだ。人見知りや内向性は、ポジティブな特性でもある。物静かなことは美点だからだ。
ってことで、私のような内向人間は「内向型を強みにする」みたいな本を読んでいただくと、二日酔いのダメージを減らせるかもしれませんなぁ。
親切心をすぐにアップさせるテクニックとは?
親切が人間の幸福度を上げるって研究は山ほどあるんですけど、新しいデータ(2)は「じゃあ、他人を助けるような気持ちになるにはどうすればいいの?」ってところを調べてておもしろかったです。
これはホープカレッジの研究で、まず「親切な人になる方法」をざっくり申しあげますと、
- スーパーヒーローの映像を見る
だそうです。うわー、単純。
研究は246人の男女を対象にしていて、
- 日常のなんてことないシーンを描いた動画を見る
- 日常のシーンにスーパーマンとスパイダーマンのロゴが混ざった動画を見る
って感じに分けております。そのあとで、
- 金を拾ったらどうするか?
- バイクが壊れて困ってる人を見たらどうするか?
- 老人が必死で雪かきをしているところを見たらどうするか?
みたいな架空のシナリオを読んでもらい、どう行動するかを答えてもらったんですな。
その結果について研究チームいわく、
スーパーヒーローのイメージを刷り込まれた被験者は、他人を助ける意思が優位に向上していた。これは、もともと親切心が高い人と低い人の両方で確認された。
だったそうな。ヒーローものの映画じゃなくても、たんにロゴマークを見ただけでも親切心は向上するんだ、と。人間って単純。
ヒーローたちは、モラルのお手本として大きな存在感を持っている。私たちが人生で表現したい美徳の体現者なのだ。
ってことなんで、他人に親切にしたければヒーローのポスターでも眺めてみるといいかもしれません。
ただ、この実験だとスーパーマンとスパイダーマンなんでまだわかりますが、バットマンみたいに軽くサイコ気質が入ったヒーローはどうなのか?とか、デッドプールでもいいのか?とかそのへんも気になるところではありますな(まぁ各自がヒーローに抱く印象によるんでしょうが)。