現代人には『iPhoneがないと不安になっちゃう障害』が存在している?
現代人には『iPhoneが手元にないと不安になっちゃう障害』が存在している!って内容の論文(1)が面白かったのでメモ。
これはミズーリ大学の研究でして、40人のiPhoneユーザーを対象にしたもの。彼らを研究室に呼びまして、以下の2パターンの状況でパズルを解いてもらったんですね。
- iPhoneをそばに置いた状態(iPhone自体は使わない)
- iPhoneを別の部屋に置いた状態
すると、iPhoneが手元になかったユーザーは、心拍数が乱れて血圧が上がりまして、不安症にそっくりな症状をしめしたんだそうな。当然、パズルの成績もボロボロであります。
同大学のニュースリリース(2)にいわく、
iPhoneユーザーは、日常の集中力を必要とする場面で、自分の端末が手元にない状況を避ける傾向があった。端末から引き離されることで、彼らは「自己がすり減った」かのような感覚を抱いたのだ。
とのこと。論文のタイトルも「拡張された自己」でして、いまやiPhoneは自我の一部なんだ、と。
もっとも、実験の内容を読むと、被験者がパズルを解いてる最中に、別の部屋に置いたiPhoneのアラームを鳴らしたりとか、必要以上に不安をあおるようなこともやってますんで、いちがいに「現代人はスマホ依存だ!」とは言い切れない感じ。研究者もそのへんの不備は認めた上で、次のような見解を述べております。
認知的に負荷の高い作業(仕事、会議、試験など)のときは、iPhoneの電源は切っておくことをオススメする。それだけでも、一日をとおして集中力がさまたげられる事態は避けられる。
じつに当たり前のアドバイスではありますが、スマホが目の前に置いてあるだけでも人間の集中力は途切れるそうですし、たった2.8秒のジャマでも人の集中力は崩壊するって話ですんで、スマホが仕事にあたえる悪影響は大きいと思ったほうがいいんでしょうね。
実際、メールのチェックを少なくするほどストレスは減り生産性は上がるとのことなんで、個人的にはメールとSNSのチェック時間を事前にスケジュールに組み込んでおくことをオススメしたいと思います。
credit: GANZIK l Kimkihong Photography via FindCC