15分目を閉じて休むだけでも、昼寝と同じぐらい記憶力はアップするらしい
昼寝が体にも脳にも効く!ってデータはたくさんありまして、特によく言われるのが記憶力アップの効果。たとえば2003年の実験(1)では、60〜90分の昼寝でも夜の睡眠と同じぐらい記憶力が強化されたんだとか。すごいですねぇ。
ただし、いっぽうでは「上手く昼寝が出来ないよ!」といった嘆きもよく聞きます。昼寝の効果を引き出すためには、脳が深い眠りに入る前に起きなきゃいけないんで、短い時間でサッと寝ないと意味がないんですよね。確かに寝つきが悪い人には難しい作業かもしれません。
ところが近ごろ出た論文(1)によれば、 わざわざ昼寝をしなくても、15分目を閉じるだけでも記憶力は激しく良くなるんだそうな。
これはファーマン大学の実験で、まずは26名の学生たちに適当なストーリーを記憶してもらったんですね。その後、全員を以下の2グループにわけたらしい。
- 快適なイスにすわって目を閉じて休む
- パズルゲームで遊んでもらう
そして15分後に記憶テストを行ったところ、結果は目を閉じたグループの圧勝。ゲームをしたグループよりも物語を細部まで覚えていたうえ、脳波計でも睡眠時と似たようなパターンが確認されたそうな。つまり、完全に眠りに落ちなくても、昼寝のメリットは得られるかもしんないんだ、と。
研究者いわく、
睡眠や休憩のあいだ、わたしたちの脳は周囲の世界に注意を向けなくなる。そのおかげで脳は新たな情報を吸収しなくてもよくなり、以前の記憶を統合して固める作業にリソースを割くことができる。
休憩中でも精神の活動は止まらない。脳を休ませた参加者は、パズルに精神を集中させた参加者よりも、豊かで多様な精神活動を体験していたのだ。
とのこと。たんにボケーっとするだけのほうが、実は脳がしっかり働いているケースもあるわけですね。以前に「学習効率をアップさせるには脳を緩和モードに切り替えよう!」って話がありましたが、「何も考えない」ことも人間が持つすごい能力のひとつなんですな。
そんなわけで、昼寝が苦手な人でも休憩時間はひたすらボケーっとすればOK。何かしないと落ち着かない方は、せめて瞑想でもやってみちゃいかがでしょう。