お金のムダ使いを10秒で防ぐための心理テクニックとは?
「お金のムダ使いを防ぐ簡単な方法が見つかったよ!」って論文(1)がおもしろかったんでメモ。
これはライス大学の実験で、165人の男女が対象(平均年齢37歳)。男女比は均等になっております。
研究チームは、まず被験者の半分にこう伝えたんだそうな。
何か具体的な商品を使ったときの体験を説明してください。特に思い出して欲しいのは、あなたが最近買ったか使ったものです。
新しいバッグでも掃除機でもなんでもいいので、とにかく直近で買ったものについて考えるように指示したわけですね。この行為を、研究者は「リフレクション」と呼んでおります。
たとえば、ある参加者の「リフレクション」はこんな感じ。
最近、黒いキンドルファイアを買った。本が読めるしネットもできる。新しい世界を開いてくれる窓のようなものだ。ベッドの中で本を読んで眠り、朝はベッドから出る前に天気を確認する。アプリもいくつかダウンロードした。キンドルは使いやすくて快適だしノイズもないので、隣で寝ているパートナーを起こす心配もない。
ってことで、ひとつのプロダクトを使った体験をかなり細かく描写しております。
その後、参加者には以下の5つのプロダクトを見せて、「いくらぐらいなら出せる?」って訊いたらしい。
- カシミアのセーター
- ステンレススチールの腕時計
- コーヒーメーカー
- 高級ナイフ
- 高品質のチョコレート
でもって、それぞれの金額を標準化したうえで比べたところ、
- 事前に「リフレクション」を行なった参加者ほど、安い金額を提示した
って結果だったんですな。つまり、リフレクションで物欲が減ったわけです。
具体的な平均値で言いますと、リフレクショングループは227ドルを提示したのに対して、何もしなかったグループは265ドルぐらい。全体でみると14%ぐらい物欲が減ってまして、なかなかよろしいのではないかと。
研究者いわく、
「リフレクション」とは、自分が最近手に入れたものについて、「これをどのように使ったのだろう?」と細部まで思い出し、深く考えてみる行為のことだ。キッチンツールや芝刈り機、リストウォッチのように、リフレクションの対象が機能的であるほど、その効果は高くなる。
とのこと。要するに、ムダ遣いを防ぐ具体的なステップとしては、
- なんか衝動買いしそうになった!
- 近ごろ買った「実用的なアイテム」を思い出す
- そのアイテムを使ったときのことを細かく頭の中でイメージ
って感じになりましょう。まぁまだ初歩研究ってレベルの実験なんでアレですが、とりあえず覚えておくと役に立ちそうな気が。