たった10分の「あれ」で頭がかなーり良くなるらしいよ
「10分で脳力をあげる方法はこれだ!」みたいな論文(1)がおもしろかったんでメモっときます。
これはミシガン大学の実験で、79人の男女を5つのグループに分けております。
- 誰かと「競争的」な会話をする(「私があなたを裏切ったらどう対応しますか?」みたいな)
- 誰かと「協力的」な会話をする(「パートナーとしてゲームをしたらどう行動しますか?」みたいな)
- 誰かと「親和的」な会話をする(「趣味はなんですか?」とか「どこにお住まいですか?」みたいな)
- 脳トレ(クロスワードパズルとか立体パズルとか)
- 何もしない
会話の時間は10分で、そのうち2分は相手への質問を紙に書き出して、残りの8分でコミュニケーションを取るように指示したらしい。
「協力的」な会話と「親和的」な会話の違いがわかりづらいですが、すごくざっくり言えば「下心があるかどうか」です。「協力的」な会話は「この人と仲良くしとけば将来いいことがあるのでは?」と思いながらするコミュニケーションで、「親和的」な会話は「この人と仲良くしたいなー」ぐらいの気持ちで行うコミュニケーションっすね。
でもって、その後で全員に認知テストをしたところ、
- どのグループも情報の処理スピードには違いは出なかった
- ただし「親和的」な会話をしたグループは、何もしなかったグループに比べて実行機能がおよそ80%向上した
だったらしい。実数で言うとそこまでの違いでもないんですが、とりあえず「親和的」グループがもっとも脳力があがったみたい。
実行機能ってのは、日常的な雑事に気を取られずに集中したり、重要なことを記憶したり、意思決定やセルフモニタリングを行う脳の力のこと。俗に「頭がいい」と言われる人は、この機能が高いものなんですな。
ちなみに、頭が良くなった順番を紹介すると、
- 「親和的」な会話
- 「協力的」な会話
- 脳トレ
の順番です。「競争的」な会話にはさほどの改善は見られず、何しなかったグループよりちょっと成績が良くなっただけだったらしい。やっぱ親密な会話が大事なんですねぇ。
研究者いわく、
この研究は、シンプルに誰かとフレンドリーな会話を交わすだけでも、脳の働きに影響が出ることを示している。これは、友達を作ろうとするときの対話の方法と同じものだ。
このような変化が起きるのは、社会的なコミュニケーションの課程で、私たちは他人の心を読み、相手の気持ちになって考える必要性が出てくるからだそう。
とのこと。要するに、他人との会話が脳トレになってるって話でして、あらためて対人コミュニケーションの大事さを痛感する次第です。