このブログを検索

【質問】HIITが辛すぎて続かないのですが、どうにかならないでしょうか?


  

こんなご質問をいただきました。

 

HIITが辛いのですが、どうにかならないでしょうか……。

 

とのこと。HIITが体によいのはわかるんだけど、なにせ辛いから続かないというお悩みですね。ちなみに、「そもそもHIITってなに?」という方は、「『HIIT』の素晴らしさをいろいろと並べてみる」をご覧ください。

 

 

HIITの効果を得るにはどれくらい時間がかかるんですか?」でも書いたとおり、確かにHIITってのは「辛くてナンボ」なトレーニング法なので、やっぱ続かない人はいるんですよね。これは本当によく聞くお悩みだと思います。

 

 

で、まずひとつめのお答えを申し上げますと、

 

  • 別にHIITにこだわらなくてもいいのでは?

 

って感じになります。HIITはすばらしいトレーニング法なんだけど、別にそれだけが健康への道ってわけじゃないので。

 

簡単に言えば、HIITが辛いなら、HIITより楽で似たような効果を得られるトレーニング法はたくさんあるので、そちらを選べばいいのでは?ってことです。このポイントについては「有酸素運動の効率を上げる【超基本的】な考え方」を見ていただければ幸いですが、要はインターバルトレーニングの考え方を使えばOKであります。HIITが辛いなら、なんだかんだで負荷を下げるのがベストでしょう。

 

 

が、それでもHIITにこだわりたいという場合は、音楽の力を借りるのがベストでしょう。「なぜ音楽は運動のパフォーマンスを上げるのか?そして、どんな音楽を選ぶのがいいのか?」でも書いたとおり、音楽には運動のパフォーマンスを上げる働きがあるんですが、同時に辛い運動をラクにする働きも持ってるんですよ。

 

 

たとえば、HIIT初心者24人を対象にしたテストでは、全体を3つのグループに分けています(R)。

 

  1. アップテンポな音楽を聴きながらHIIT

  2. ラジオを聴きながらHIIT

  3. 無音でHIIT

 

その結果、アップテンポな音楽を聴きながらHIITを行ったグループのみ、運動の楽しさがアップし、さらに運動のパフォーマンスも上がったんだそうな。心拍数などの生体リズムは音楽に同調する傾向があるため、おかげで楽しさと能力が改善したらしい。

 

 

この研究で使われた音楽はポップ、ロック、ヒップホップなんですが、結局もっとも大事なのはテンポなので、BPMが130以上の曲から好きなものをお選びください。

 

 

ちなみに、音楽はHIITが終わった後の回復を早めるためにも使うことができます。音楽のリラックス効果について調べたメタ分析(R)では、104の先行研究から9,617人のデータをまとめ、おおよそ以下の結果を出しています。

 

  1.  音楽はストレスホルモンや血圧、心拍数なのどの身体ストレスを減少させる効果がある(d=0.38)

  2.  もっとも効果が大きいのは心拍数(d=0.456)で、次にストレスホルモン(d=0.349)、血圧(d=0.343)の順番だった

  3.  不安や緊張を改善する効果はさらに大きかった(d=0.545)

 

音楽というと心理的なメリットが思い浮かびますが、実際には体内のストレスホルモンを下げ、心臓などの働きにも大きなメリットを与えてくれるようです。その効果は音楽を聴いてからすぐに現れるようで、即効性が高いのもうれしいところですね。

 

 

この研究によると、ストレスホルモンに聴く音楽の種類はなんでもよく、音楽のジャンルや歌詞の有無などは効果を左右しません。唯一重要なのは音楽のテンポで、BPMが60〜80の曲がもっともリラックス効果が高いようです。かなりゆったりしたスピードですね。

 

 

話をまとめると、こんな感じです。

 

  • HIITの最中はBPMが130以上の曲を聴いてパフォーマンスを上げる

 

  • HIITをやり終えたらBPMが60〜80の曲を聴いてストレスホルモンを下げる

 

それでもHIITの根本的な辛さは解決しませんが、実践すれば確実に不快感はやわらぐはず。HIITがつらすぎる人はお試しを〜。


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。